「特殊詐欺集団に電力供給」 タイを批判するミャンマー国内の報道にタイ副首相が反論
タイ国境に近いミャンマー領内で犯罪組織が特殊詐欺を働いていることが以前から指摘されている。これに関連してミャンマーのメディアが、特殊詐欺グループが人を集めて詐欺の電話をかけさせているコールセンターにタイ側から電力が供給されていると報じたが、タイ政府は「ただ漫然と電気を売っているのではなく、然るべき対策をしっかり講じている」と反論した。
タイのプームタム副首相兼国防相によれば、ミャンマー4カ所にタイ側から電力が供給されていたが、そのうち犯罪組織の関与が確認された2カ所については昨年6月25日、電力供給をストップしたとのことだ。
ミャンマー領内で犯罪組織がタイからケーブルを引き込んで犯罪のためにインターネットに接続しているとの指摘もあるが、このような問題はタイだけの懸念ではなく、ミャンマーも中国も憂慮しており、関係国が協力して対策を講ずることが必要と呼び掛けた。
一方、タイ地方電力公社(PEA)は、ミャンマー側への電力供給は2国間合意に基づいたものであり、合意違反などが確認された場合は電力供給を停止していると説明した。
プラシットPEA総裁は、「PEAはミャンマー国内の5地区に電力を供給していたが、2023年に在タイ・ミャンマー大使館からの要請で2地区への供給をストップした。翌24年にもシャン州タチレクへの電力供給を料金未払いのため停止した」と話している。