デング熱 今年の感染者は1万人超 タイ保健相が宣言「年内に死者ゼロ達成」
蚊が媒介する感染症デング熱について、ソムサク保健相はこのほど、タイ政府は年内にデング熱の死亡者数をゼロにすべくデング熱対策を展開していると説明した。
これは、ASEAN(東南アジア諸国連合)が設定したASEANデング・デーに因んだイベントの中で保健相が述べたもの。タイ政府が現在実施している対策は、蚊の駆除、早期の診断・治療、デング熱への理解を深めるための啓蒙活動などとなっている。
今年1月1日から6月4日までにタイでは1万3079人がデング熱に感染し、うち15人が死亡したが、ソムサク保健相は、速やかな診断と治療によってデング熱感染者の死亡は予防できると述べている。
デング熱は、デングウイルスを持つネッタイシマカやヒトスジシマカ(日本にも生息するヤブ蚊)などに刺されることで感染する。通常3~7日の潜伏期間を経て突然の発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛が現れる。発症3~4日後から胸部・体幹に発疹が出現し全身に広がる。通常、死に至る危険は少なく、症状は1週間程度で改善し、後遺症なく回復するケースが大半であるが、稀に重症となり死に至る。