ラオスで炭疽菌感染3例が発覚 タイ当局が畜肉調理での十分な加熱を呼びかけ
タイ農協省畜産局は隣国ラオス国内でこのほど、炭疽菌感染が3例報告されたことから、畜肉からの感染を避けるために畜肉を食す場合は十分に加熱するようタイ国民に呼びかけた。
カニカー政府副報道官は、「炭疽は非常に危険な感染症なので、半生やよく火の通っていない牛、水牛、山羊、羊の肉を食べないで欲しい」としている。
炭疽菌を起因菌とする急性敗血症の動物由来感染症である炭疽は家畜や野生動物のほか、人にも感染する人獣共通感染症。牛、馬、羊、山羊などの草食獣は炭疽菌に対する感受性が高く、感染すると急性敗血症で死亡するが、豚や犬は比較的抵抗性があるという。
一方、炭疽菌が人に感染した場合は、1~7日間の潜伏期を経て、皮膚の異常(皮膚炭疽)、消化器の異常(腸炭疽)や呼吸器の異常(肺炭疽)が起きる。致死率は、皮膚炭疽では全く治療を行わない場合に約20%、腸炭疽では約50%、肺炭疽では約90%となっている。