タイ工業連盟もセーター首相に反発 「最低賃金は3者委員会が決定すべき」
政府・雇用者・被雇用者の代表で構成される最低賃金3者委員会が先ごろ打ち出した1日当たりの法定最低賃金引き上げ案に対し、セーター首相が「上げ幅が小さすぎる」と難色を示し、また、これに3者委員会が「首相に介入の権限はない」と反発する事態となっている。
これを受けてタイ工業連盟(FTI)はこのほど、最低賃金は3者委員会によって決定されなくてはならないと指摘した。政府は先の総選挙の際に大幅な賃上げを公約として掲げていたことからインパクトのある最低賃金の引き上げを希望しているものの、経営者の団体であるFTIとしては、企業側の負担を最小限に抑えるべく大幅な賃上げには反対の立場をとっている。
3者委員会が来年1月1日から1日当たり最低賃金を2~16バーツ引き上げると決めたことに対し、クリエンクライFTI会長は、「合法かつ適切なものであり、関係者全員(政府、雇用者、被雇用者)が受け入れた」と述べ、セーター首相が示唆しているさらなる引き上げに反対の立場を明らかにした。
なお、12日の閣議では、首相の意向に応える形で3者委員会に賃上げ幅の見直しが命じられるとの見方もあったが、拙速を避けるためか最低賃金の件は取り上げられなかった。