ピタ前進党前党首のメディア企業株保有問題 憲法裁が無罪判決 議員復活
最大野党・前進党のピタ前党首がメディア企業株を保有する者は国政選挙に立候補できないとの憲法規定に反し昨年5月の総選挙に立候補したとして訴えられていたが、憲法裁判所は1月24日、同前党首が保有していたのはメディア企業株とは言えず、従って同前党首が憲法違反で下院議員資格を失うことはないとの判決を言い渡した。
同前党首はこの問題に絡んで下院議員の資格停止処分を受けていたが、これも解除されることになった。
同前党首が立候補の手続きを行った際に保有していたのは父親から遺産として譲り受けた、かつてテレビ局を運営していたiTV社の株式。だが、同社は昨年5月の総選挙の立候補手続きの際にはすでにメディアビジネスにかかわってはおらず、憲法裁はメディア企業株に該当しないと判断した。
ピタ氏は昨年の総選挙で党首として選挙戦を主導し、その結果、前進党が最多票を獲得することになったものの、今回のメディア企業株問題などにより昨年9月に党首を辞任。その後の党大会でチャイタワット氏が党首に選ばれた。このため、「メディア株問題で無罪なら、ピタ氏が党首に返り咲く」との見方も出ているが、ピタ氏は報道陣に対し、「前進党で党首交代を話し合う予定はない」と述べている。
一方、前進党は昨年の総選挙の際に「不敬罪を規定した刑法112条を改正する」と公約したことが立憲君主制の転覆を試みたものであると憲法裁に訴えられており、この件について憲法裁は1月31日にも判決を下す予定。有罪となれば、前進党が解党処分となる可能性がある。