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最低賃金引き上げ 規定路線とするタイ政府に対し賃金委は「まだ検討していない」と反発

1日当たりの法定最低賃金引き上げを要求し続けているタイ政府が主導するかたちで来年度の始まる今年10月1日から最低賃金が全国一律400バーツに引き上げられると報道されている。だが、同賃金の最終決定権を有する政府・雇用者・被雇用者の代表で構成される最低賃金3者委員会のアタユット氏(雇用者代表)はこのほど、委員会がまだ検討もしていない段階で政府が最低賃金引き上げを発表したことを強く批判した。

最低賃金はタイ旧正月の4月13日に一部地域ですでに400バーツに引き上げられおり、翌14日の賃金委の会合では職種に応じた賃金の修正を検討することが合意されたにすぎないという。だが、この段階で政府は新年度からの400バーツへの引き上げが既定路線であるかのように振る舞っており、同氏によれば「理解に苦しむ」とのことだ。

最低賃金の引き上げについて政府は、選挙公約実現のため前向きであり、労働者(被雇用者)も収入が増えるため歓迎する一方、経営側(雇用者)は人件費が増大して業績に影響しかねないため否定的姿勢を見せている。

一方、 賃金委のウィラサク委員(被雇用者代表)によれば、賃金委では全国一律400バーツへの最低賃金引き上げをまだ検討していないのは事実。だが、各都県の賃金委員会には400バーツへの引き上げに関する情報を収集し、10月までに本委員会に報告することが指示されており、準備が着々と進められているとのことだ。

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