期間限定バンコク週報無料購読キャンペーン実施中

国境衝突で緊張高まる中 タクシン元首相が私的確執説を否定

タイとカンボジアの国境における紛争が激化し、軍事衝突が再発している情勢の中、タクシン元首相は、一部で報じられているタクシン一族とカンボジアのフン・セン上院議長(前首相)一族との確執が原因との見解を明確に否定。また、状況の正常化を図るため、タイ軍に対して自由裁量権を与え、制限のない任務遂行を可能とすべきであると強調した。

タクシン氏とフン・セン氏は、かつては親密な関係にあったとされるが、フン・セン氏とタクシン氏の次女であるペートンタン首相との私的通話内容がカンボジア側によって暴露されたことで、事態は一変した。通話の中で、ペートンタン首相がタイ軍や国益への配慮を欠く発言を行っていたことが明らかとなり、タイ国内では激しい批判が巻き起こっている。

タクシン氏は、東北部ウボンラチャタニ県を訪問し、カンボジア軍の砲撃から避難した住民を見舞ったうえで、「一族間の私的対立が軍事衝突の要因となった」との見解を重ねて否定した。

また、今回のカンボジア軍による砲撃では、商店などが破壊され、民間人に多くの死傷者が発生している。これに対しタクシン氏は、「タイはF16戦闘機を出動させたが、攻撃対象は軍事施設に限定されており、民間人を標的としたものではない。一方、カンボジア側の行動は容認できず、国際社会からも非難を受けている」と述べた。

今回の軍事的緊張の激化は、国境地帯の経済活動や投資環境にも大きな影響を及ぼしており、外交的解決の道が急務となっている。

この記事がお役に立ちましたら
フォローをお願いします

シェアしていただければ幸いです
目次