【政治】人民党がアヌティン党首支持表明 次期首相がほぼ確定
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憲法裁判所の判断によりペートンタン首相が失職した後、チャイカセム元法相を推すタイ貢献党と、アヌティン党首(前副首相)を推すタイ威信党の間で駆け引きが激化していた。だが、最大野党である人民党が次期首相指名でアヌティン党首に投票する方針を明確にしたことで、アヌティン党首の第32代首相就任がほぼ確定した。
人民党は9月2日朝の会合で支持を正式表明。これに対抗してタイ貢献党のプームタム首相代行は下院解散の手続き開始を発表した。しかし法令委員会が首相代行に解散権はないと指摘するなどして、この動きは無効とされた。そのため9月5日に特別国会が召集され、首相指名が行われる予定となった。
人民党は当初、即時下院解散を主張していたが、首相代行の権限が議論となるとトーンを下げ、施政方針演説後4カ月以内の下院解散を条件にした。最終的にタイ威信党を選んだ背景には、タイ貢献党への不信感が強いこともある。2023年総選挙後、人民党の前身政党が結んだMOUを一方的に破棄した経緯が「信用できない」との感情を残したことも響いた。
9月3日時点で威信党は146議席、貢献党陣営は204議席を有し、首相指名には過半数の247票が必要だった。最終的に威信党は人民党支持を取り付け289票を確保し、勝利が確実となった。今後は9月5日の首相指名を経て、施政方針演説後4カ月以内に下院解散、来年1~2月に解散、4~5月に総選挙を経て第33代首相が指名される見通しだ。
