【労働】外国人労働者政策を見直し 高技能人材誘致と非熟練労働管理を強化
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労働省は、外国人労働者制度を全面的に見直す方針を示した。高度技能人材や投資家の誘致を強化する一方、非熟練労働者については新たな登録制度と監視体制を導入する。目的は労働市場の近代化と、違法就労対策の強化である。
高技能人材向けには、スマートビザ制度の対象をAI、ロボティクス、半導体、医療バイオなど新興分野に拡大し、帯同家族の就労許可、各種税優遇を検討する。タイ投資委員会(BOI)は「高度技術者の不足が産業政策の制約」と指摘しており、2025年中に1万人の新規受け入れを目指す。
一方、非熟練労働については、ミャンマー、ラオス、カンボジアなどからの労働者登録制度を再編し、デジタルID・出入国管理と紐づける。手続きのオンライン化により、仲介ブローカー排除と費用削減を図る。違法労働者については摘発を強化し、雇用主側の罰則も見直す。
タイの労働市場は約300万人の外国人労働者が支えているが、サービス業・建設業では人手不足が深刻化。移民政策専門家は「人口高齢化の中、労働市場の開放と管理を両立させる必要がある」と指摘する。
労働省は2026年に労働許可証と居住許可を統合した電子プラットフォーム運用を開始し、労働者トレーサビリティを強化する。AIを用いた不法就労監視も検討中だ。
高技能人材の確保と、適正な外国人労働管理は、産業競争力と社会安定を支える重点施策となる。
