【社会】 タイ政府、午後2~5時の酒販売禁止を撤廃へ 観光当局は歓迎も保健当局からは慎重論
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タイ政府は11月13日、長年続けてきた午後2~5時の酒類販売禁止措置を撤廃する方針を固めた。ソポン副首相が政府庁舎で明らかにしたもので、国家アルコール飲料政策委員会が観光促進と主要祭事での個人消費拡大を目的に合意した。
タイでは1970年代から飲酒運転などの対策として酒類の販売を午前11時~午後2時、午後5時~午前0時に限定してきたが、観光業の競争力強化が急務となる中、政府は制度見直しを進めている。タイ国政府観光庁(TAT)によれば、2025年の外国人観光客数は前年比で増加基調にあり、飲食・娯楽分野の支出も回復。消費行動の制限を緩和することで、地方都市を含む観光消費の押し上げが期待されるという。
一方、保健省はアルコール関連事故の増加を懸念し、販売管理の強化や啓発活動の拡充が必要との立場を崩さない。そのため政府は経済効果と社会的影響を慎重に見極めながら制度改定の詳細を調整する見通しだ。
