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【車両】タイ南部大洪水が回復途上の自動車産業に追い打ち タイ工業連盟は生産目標145万台維持

タイ南部を襲った大規模な洪水が、自動車産業の先行き不透明感を強めている。タイ工業連盟(FTI)自動車産業部会は、洪水による販売停滞と景気回復の遅れにより、年内の販売見通しを下方修正せざるを得ない可能性が高いとの見方を示す。

同部会副会長でスラポン報道担当は、「南部の大規模な洪水は懸念材料であり、一刻も早い改善を願っている」と述べた。同部会は自動車メーカーと毎月協議の場を設けており、直近の会合では、被災地の販売店や関連ビジネス、消費者への支援策が議題となる見通しだ。

ただ、同部会は、2025年の自動車生産目標145万台(輸出台数95万台、国内販売台数50万台)を当面維持する方針。洪水と景気減速が逆風となる一方で、新政権の景気刺激策、とりわけ共同負担給付制度「コン・ラ・クルン・プラス」が消費者心理を下支えし、購買力を回復させる効果に期待を寄せるが、不透明感を拭うまではいかない。

タイ南部は、観光と物流の拠点として自動車需要も比較的高い地域である。今回の洪水が長引けば、ディーラーの在庫調整や金融機関の与信にも影響し、国内市場の回復時期が後ずれする恐れがある。輸出台数が計画通り確保できたとしても、国内販売が想定を下回れば、生産計画全体の見直しを迫られる可能性もあり、自動車関連サプライチェーンは今後の被害状況を注視している。

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