【デジタル】即時配送拡大で小売構造変化、タイ市場で競争激化と消費行動転換加速へ
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- 即時配送が数時間以内配達を実現し、タイ小売の競争構造を変えつつある
- LINE MARTは3年間で流通総額10倍、注文件数6倍と急成長
- AIと配送データ活用が購買習慣形成とブランド競争力の鍵となる
- 将来はSNSやAI上で完結する取引形態への移行も見込まれている
タイの小売市場で、注文から数時間以内に商品を届けるインスタントコマースが急速に存在感を高めている。従来のECが配送に2〜3日を要するのに対し、即時配送は最短1時間で自宅に届く点が特徴で、消費者の利便性重視の志向を背景に新たな競争軸となりつつある。ブランド各社は実店舗の棚を巡る競争から、スマートフォン画面上での視認性を争う局面へ移行を迫られている。
価格比較サイト大手が開催したECOM 2026セミナーでは、LINE MAN傘下のLINE MARTが過去3年間で流通総額を10倍、注文件数を6倍に拡大したことを明らかにした。食品配達が日常化する一方、日用品や食料品は週1回程度の習慣として定着しつつあり、少量購入から追加注文へとつながる購買行動が増えているという。
即時配送では、予測型AIや地域別配送データの活用が競争力を左右する。利用者は選択肢の多さから迷いやすく、購買過程の早い段階で商品を想起させる露出が重要とされる。飲料大手では、従来の棚占有率に代わり、画面上の注目度を高める施策がブランド想起率を大幅に押し上げたとする。
さらに市場関係者は、将来的にSNSやAIチャット上で取引が完結するゼロコマースの広がりを見込む。即時配送は単なる物流競争にとどまらず、データ活用と顧客習慣の獲得を巡る長期戦の様相を強めている。
