【スタートアップ】世界的フィンテックのエバンクスがタイ進出、越境決済の強化でデジタル経済を牽引

ブラジル発の世界的フィンテック企業であるエバンクスは、タイ市場への本格参入を正式に発表した。同社は新興国向けの越境決済ソリューションに強みを持ち、タイを含む東南アジア諸国での事業拡大を加速させる。
タイのフィンテック市場は急速に成長しており、調査会社のデータによると、2025年時点で市場規模は約15億9190万ドルに到達。さらに、2026年から2034年にかけて年平均15.21パーセントの成長率で拡大し、2034年には約59億590万ドル規模に達すると予測されている。政府が推進するデジタルウォレット計画などの普及により、決済のデジタル化が国民生活に浸透していることも参入の背景にある。
越境決済ソリューションの需要拡大
エバンクスの参入は、タイの消費者が海外のデジタルサービスや商品をより円滑に購入できる環境を整えることを目的とする。タイではオンラインショッピングやストリーミングなどの越境利用が拡大しており、現地通貨による決済手段の多様化が求められている。同社は世界各地の主要な加盟店に対し、タイの現地決済手段を統合したプラットフォームを提供することで、決済成功率の向上とユーザー体験の改善を図る。銀行口座を保有していない層や、カードを持たない若年層にとって、モバイルウォレットや即時決済を通じたグローバル市場へのアクセスは大きな利便性向上につながる。
キャッシュレス化が進むタイの市場
タイのキャッシュレス化は、アジア圏でもトップクラスのスピードで進んでいる。政府の強力な後押しもあり、QRコード決済は屋台から大型商業施設まで広く普及。こうした強固なデジタルインフラを基盤に、今後はブロックチェーンや人工知能を活用した金融サービスが登場することが期待されている。このなか、エバンクスの参入は、既存の国内決済サービスとの競争を促すとともに、タイを東南アジアにおけるフィンテックのハブとして位置づける重要なマイルストーンとなろう。日系企業にとっても、現地のデジタル決済環境の変化は、販売戦略を構築する上で無視できない要素となる。
