【法務】タイ外資規制見直しで名義貸し封じ 規制業種への違法参入を本格調査
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タイ商務省は外国人事業法の全面的な見直しに着手し、外資がタイ人名義を使って規制業種に参入する「名義貸し」や「代理保有」の封じ込めを進めている。4月18日付のタイ現地報道によると、現在、最大の課題となっているのが複雑な株式持ち合い構造の解消だ。現行制度下では、会社Aが会社Bを支配し、会社Bが会社Aを支配するような循環的な株式保有の下で、実質的な外国支配の判定が難しいケースが残っている。そこで、商務省はこうした抜け穴を塞ぎ、真の株主構成を明確にする考えだ。
目次
罰則強化へ 資産没収・刑事責任も視野に
今回の見直しでは、制度の整理にとどまらず、罰則の引き上げも検討対象に入る。タイ現地紙によると、資産没収や無許可営業に対する新たな刑事責任の導入が議論されているという。従来は罰金を事業継続コストの一部として受け止め、摘発後に別名義で再参入する例もあった。政府は、保護業種での不透明な参入を抑えながら、正規の外資投資はむしろ促したい考えであり、制度の厳格化と投資促進の両立を目指す。
既存合弁・販売会社も当局の点検対象に
日系企業にとって重要なのは、今回の動きが新規進出だけでなく、既存の合弁会社や販売会社にも及びうる点だ。特にサービス、流通、観光関連など保護業種の周辺事業では、実質支配の判定基準が厳格化される可能性がある。株主構成、議決権、融資契約、関連会社間取引の実態を改めて点検する必要がある。違法な名義貸しの取り締まり自体は以前から続いていたが、今回は法律そのものの見直しに踏み込んだ点で重みが異なる。規制緩和への期待だけでなく、法務管理の厳格化にも備えるべき局面と言える。

