【エネルギー】タイ内閣が電力料金体系の改革承認 20年ぶりの抜本見直しで低所得世帯を救済
広告

タイ政府は4月29日、家庭向け電力料金を使用量に応じたものに再編する改革案を内閣で承認した。アカナット・エネルギー相が主導する今回の措置は、20年以上ぶりとなる電力料金体系の抜本的な見直しで、6月請求分からの適用を目指す。
改革の骨格は「使う量が少なければ安く、多ければ高く」という応能負担の考え方だ。月間使用量が200ユニット以下の家庭は1ユニットあたり3バーツ以下に抑える。対象は1540万世帯で、現行料金(3.88〜3.95バーツ)から20%程度の負担軽減が見込まれる。一方、月400ユニットを超える高消費世帯(320万世帯)は平均料金が5バーツ超に上昇する見通しだ。政府はこの層に対して太陽光パネルの設置を促している。
目次
産業界への影響は限定的
産業用・大口工業用・農業用・時間帯別料金(TOU)の利用者は対象外で、製造業の工場コストへの直接影響は現時点では軽微とみられる。ただし、電力業界団体(APPP)は再生可能エネルギー長期契約(アダー制度)の単価見直しを巡る交渉の行方が今後の料金水準を左右すると指摘する。
エネルギー省は中東紛争で高騰した液化天然ガス(LNG)輸入コストを料金に転嫁しにくい構造に変えるため、割高なアダー案件の契約再交渉も並行して進める。不服申し立てには法的対応も辞さない構えを示す。
