【エネルギー】タイが電気料金体系を20年ぶりに改定 6月請求分より3段階制へ
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タイ政府は6月請求分の電気料金から、20年以上ぶりとなる大規模な料金体系の改革を実施する。エネルギー省が主導したこの改定は「使う量が少なければ安く、多ければ高く」という累進課税型の料金構造を導入するもので、対象は全国約2320万世帯。内閣が4月28日に原則承認し、6月請求分から施行される。改定の直接の背景としては、中東紛争に起因したLNG(液化天然ガス)価格の急騰で、タイ電力の大半を賄う天然ガス依存の構造が深刻なコスト上昇をもたらしていることがある。
3段階制で低所得世帯を守り太陽光導入を促進
新料金体系は3段階に区分される。月200ユニット(キロワット時)以下の低使用世帯1540万戸は1ユニットあたり3バーツ以下に設定され、現行の3.95バーツから最大20%の負担軽減となる。月200〜400ユニットの中間層460万戸は従来の標準料金3.95バーツが引き続き適用される。そして、月400ユニット超の大量使用世帯320万戸は平均5バーツ超に引き上げられる見通しで、このグループに対しては屋根置き太陽光パネルの導入促進を狙う。
なお、この累進制は住宅用のみの適用で、工場・事業所・農業向け料金は対象外だ。工業団地に立地する日系製造企業への直接的な電力料金の変動影響は限定的とみられる。
ただ、政府は今後、老朽化したLNG火力発電への依存削減や、高単価で固定された旧再生可能エネルギーの買取契約(アダー契約)の見直しを進める方針。屋根置き太陽光の余剰電力買取単価は1ユニット2.2バーツで、買取容量の上限も90メガワットから500メガワットへ拡大される。エネルギーコストが経営を左右する在タイ日系企業にとっては、自家発電・節電投資の検討を加速させる好機となりそうだ。
