【経済】タイ資本市場連合会が「恒久的混乱」時代突入を宣言 投資戦略の根本転換促す
広告

タイ資本市場機構連合会(FETCO)のパイブン会長は6月27日、証券取引所で開かれたタイ投資フォーラム2026において、世界経済が「恒久的混乱」の時代に突入したと警告した。同フォーラムはタイ語経済紙・クルンテープ・トゥラキットが主催したものだ。
基調講演でパイブン会長は、冷戦終結から2019年まで続いた「グローバル化の黄金時代」が完全に終わったと断言。低金利・自由貿易・安定成長という好条件がそろった30年間は過去のものとなり、地政学的摩擦、経済の分断、構造的な貿易戦争、「中国ショック2.0」、財政危機、供給網の断絶という6つのリスクが重なって世界を「恒久的混乱」に押し込んでいるとした。
とりわけ問題視したのが「中国ショック2.0」だ。中国の世界輸出シェアは16%に達する一方、輸入は伸び悩み、廉価な完成品が世界市場に流れ込む構造が定着している。企業は効率優先の「ジャスト・イン・タイム」型サプライチェーンを、在庫に余裕を持たせる安全重視の「ジャスト・イン・ケース」型へと切り替えており、これが利益率を圧迫している。米国の実効関税率が大恐慌以来の約20%に達し、タイも米通商代表部(USTR)の調査対象に入っているとして、貿易戦争の長期化に強い懸念を示した。
一方でパイブン会長は、タイの「地政学的中立性」を好材料として評価。主要経済圏のいずれとも同盟関係にないタイは、米中対立の影響を受けにくい「資本の安全港」として外国直接投資を引き付ける潜在力を持つとした。投資家には、AIインフラの電力供給事業や、中立国に立地する製造・物流基盤への資金配分を勧めた。タイに進出する日系企業にとっては、サプライチェーンの組み替えコストをあらかじめ見込んだ事業計画の見直しが求められる局面だ。
