【不動産】タイ住宅市場、この10年で最悪に 高金利と家計債務が重くのしかかる
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タイの住宅市場が、この10年で最も厳しい状況に陥っている。サイアム商業銀行の調査部門であるSCB経済インテリジェンスセンターは、その主な原因として、家計の借金の多さ、収入の伸びを上回る生活費の上昇、そして2025年から続く銀行の住宅ローン審査の厳格化を挙げている。物価が上がっても給料が追いつかず、銀行も貸し出しに慎重になっているというわけだ。
キアットナキン・パットラ(KKP)リサーチはさらに踏み込み、エネルギー価格の上昇が物価全体を押し上げれば、タイ中央銀行(BOT)も政策金利を高止まりさせざるを得なくなると分析する。金利が上がれば毎月の住宅ローン返済額が数千バーツ単位で増え、銀行が貸せる金額(融資枠)が減ってしまう。その結果、住宅購入をあきらめたり、先送りしたりする人が増えるという悪循環に陥りやすいというのが同社の見立てだ。
一方、在庫が積み上がっている地域にも偏りが見られる。KKPによると、バンコク郊外の3つのエリアに売れ残り住宅が集中しているという。ランシット〜パトゥムタニ地区は1万9300戸(評価額675億バーツ)、バンブアトーン〜ノンタブリ地区は1万8100戸(同633億バーツ)、バンナー〜サムットプラカン地区は1万6400戸(同574億バーツ)に上る。いずれもバンコク都心から車で1時間前後の距離にあり、日本人駐在員も多く住むベッドタウンである。今後も中古住宅の値下がりが避けられない見通しだという。ただ、値引きや在庫処分が進めば、駐在員向けの賃貸物件を割安に確保できる好機にもなり得る。住み心地を優先する視点も大切になりそうだ。
