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【車両】日系自動車メーカーの即時移転は否定するも政策リスクなお残ると専門家指摘

「タイの日系自動車メーカーが生産拠点を直ちに移転する可能性は低いが、中国製EVの流入による価格競争は無視できないリスクだ」――タマサート大学経済学部のアチャナン氏はそう指摘する。

インドネシア政府は投資優遇策を示し、トヨタに生産拠点の移転を働きかけている。同氏は「トヨタが動くかどうかを予測するのは時期尚早」としながらも、日系メーカーが政策上の不公平感を訴えている実情には注意が必要と見方だ。さらに、「バッテリー式電気自動車(BEV)を促進する政策そのものが、市場を歪めている」との懸念も示す。

タイの自動車産業は部品・部材の供給網が複雑化しており、既存の生産拠点、特にガソリン車の拠点を動かすのは費用も手間もかかる。「移転は簡単ではなく、コストもかかる。リスクは現実にあるが、急には起きない。それでも段階的に進む可能性は否定できない」という。

タイで長年操業してきたトヨタやホンダなど日系メーカーは、新興のEVメーカーとの間に不公平な競争環境があると訴えてきた。ASEAN・中国自由貿易協定による優遇関税と、EVへの物品税優遇が重なり、価格差を生んでいる。

アチャナン氏は国産車の物品税見直しを歓迎する一方、中国製BEVの流入への対応も必要であると指摘。EV投資の目標を現実的な水準に見直すべきであり、電池や基幹部品の国産化要件の運用も強化すべきだと訴える。インドネシアの市場規模や供給網の成長は魅力的な選択肢となり得るが、それだけで即座の移転にはつながらないとしながらも、今後1〜2年で日系メーカーの判断がより明確になるとの見方も示した。

一方、タイ政府もアヌティン首相が豪州訪問中に車両税制の見直しを指示し、日系メーカーを引き留める姿勢を鮮明にしている。首相は「タイと日本の生産拠点は、もはや切り分けられない」と述べ、投資家への配慮を欠かさない考えを示した。

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