【経済】タイ政府、通信衛星の利権契約を巡りタイコムとGULFに法的措置へ
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タイ政府が、通信衛星の利権(コンセッション)契約の資産引き渡しを巡り、タイコム(Thaicom)とGULF Development(GULF)の2社に対して仲裁または訴訟手続きを進めることを決めた。コンセッションとは、政府が特定の企業に一定期間、公共性の高い事業を独占的に行う権利を与える契約形態のことだ。
今回の対象は、タイの旧国内通信衛星事業に関する利権契約。政府側は、2021年9月11日の契約終了時に、資産の引き渡しが契約条件通りに完全には行われなかったと主張しており、少なくとも12億6000万バーツの罰金と損害賠償を求める方針だ。政府側の試算によると、ブロードバンド衛星サービスを提供する機会を失ったことによる損失は1日あたり45万6150バーツにのぼるとされ、これに土地使用コストを加えた金額を、2021年9月11日から2026年9月3日までの1819日分について算定しているという。この期間の長さからも、両者の対立が長期化していることがわかる。
一方のタイコムは、2021年9月11日の時点で、契約条件を完全に満たした形で全ての資産をデジタル経済社会省(DES)に引き渡し済みだと主張しており、両者の見解は真っ向から対立している状況である。 日本企業にとっても、契約終了時の資産引き渡し条件を巡って政府と民間企業の間で長期にわたる法的紛争に発展し得ることを示すこの案件はタイでの官民契約(コンセッション契約)に伴うリスクを考える材料になる。今後、仲裁や裁判の行方によっては、ほかの利権事業を営む企業の契約実務にも影響が及ぶ可能性がある。
