オミクロン株感染初確認 タイ工業連盟会長が都市封鎖に反対表明
新型コロナウイエルスの変異株「オミクロン株」のタイ初となる感染例が確認されたことを受けて、タイ工業連盟(FTI)のスパン会長はこのほど、タイ国民と政府に対し、パニックにならずに過剰な反応を避けるよう呼びかけた。
オミクロン株は感染力が強いとされていることから、強い警戒感を示している国もあるが、同会長は、「都市封鎖は答えではない。新規感染者数は減少傾向で、退院する人数が常に入院する人数を上回っているのであり、(コロナウイルスと)共存する道を探る必要がある」としている。
タイ商工会議所のサナン会頭も「都市封鎖に逆戻りすることはタイの対外的イメージダウンにつながる。スパン会長に賛成する」と述べている。
一方、保健省疾病対策局のオパート局長によれば、タイで最初にオミクロン株感染が確認されたのは35歳の米国籍の男性で、11月28日にスペインで受けたPCR検査では結果は陰性だった。翌29日、ドバイ経由のフライトに搭乗し、30日にスワンナプーム空港に到着。男性はその直後に受けたPCR検査で陽性の結果が出たことから、さらに検査を受けオミクロン株に感染していることが判明、入院することになった。男性はジョンソン・エンド・ジョンソン製の新型コロナワクチンの接種を1回受けていた。
オパート局長によれば、オミクロン株は感染力が強いとされるものの、外国で確認された感染者の症状は軽く入院の必要はなく、今のところ死亡者は報告されていない。