予算案での議決不正疑惑 経済成長への悪影響必至か
今年度(昨年10月~今年9月)の国家予算案が下院で承認された際、議場にいなかった議員が賛成票を投じたことになっていたとされる問題で予算の執行が遅れる恐れが出ている。このなか、タイ商工会議所大学(UTCC)のタナワット学長はこのほど、「今回のトラブルのために今年のタイ経済成長率が2.5%に達しない可能性がある」と指摘した。
今年度は予算執行がすでに3カ月近く遅れているが、同学長は「予算執行が5月にずれ込むことになれば、新しいプロジェクトがさらに遅れることになり、低迷しているタイ経済に悪影響が及ぶ」としている。
なお、タイ中央銀行はタイ経済について昨年の成長見通しを2.8%から2.5%に、今年の成長見通しを3.3%から2.8%に下方修正しているが、今年の見通しに予算執行遅延は考慮されておらず、最悪の場合、さらに下方修正されることになる。