タイ工業連盟が年間2回の最低賃金引き上げに警戒感 中小企業への打撃懸念
タイの主要経済団体であるタイ工業連盟(FTI)はこのほど、タイ政府が計画通りに1日当たり最低賃金を引き上げた場合、国内ビジネスは運用コストの上昇などで打撃を受けることになるとの‘懸念を表明した。中核与党のタイ貢献党は1日当たり最低賃金を2024年中に400バーツ、2027年末までに600バーツに引き上げると公約している。
これまで1日当たり最低賃金は都県別に経済状況に合わせて設定され、年に1度改定されてきた。直近の改定では、昨年末に雇用者、被雇用者、政府の代表からなる最低賃金3者委員会が今年1月1日から最低賃金を2~16バーツ、平均で2.37%引き上げることを決定。だが、政府がより大幅な引き上げを求めていたことから、妥協案として同委員会は今年半ばに最低賃金の改定を検討・決定することに同意している。
しかしながら、FTIとしては、人件費の増大はとりわけ中小企業に打撃を与えることから、今年は昨年末に同委員会が決めた最低賃金を維持し、追加的な賃上げを行わないことを望んでいるとのことだ。