【車両】タイのEV移行策「旧車下取りスキーム」、評価問題で見直し必至
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タイ財務省は5月11日、電気自動車(EV)の普及を後押しするために打ち出した「旧車下取り・新車購入スキーム」が当初の形では実施されない可能性があることを明らかにした。同スキームは400億バーツ規模の緊急借入政令に盛り込まれた経済対策の一環で、中古車を下取りに出した消費者が新車を購入する際に補助を受けられる仕組みだ。
ラワロン財務省事務次官によると、物品税局が現在詳細を調査しているものの、いくつかの障壁があり制度化が難航している状況だ。最大の課題は中古車の評価額の公平な算定で、同年式の車でもコンディションによって価値が大きく異なるため、画一的な基準の設定が困難だという。「5万バーツ、5万5000バーツ、6万5000バーツのいずれが妥当かを問われても、どの判断も議論を招く」と同次官は指摘する。
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スクラップ制度の整備が急務
もう一つの難点は廃車処理システムの整備だ。スクラップされた車両から部品や廃金属、バッテリーを効率よく分離・再利用する仕組みの構築が不可欠で、タイが推進するEV産業の発展とも密接に絡む。また、対象年式の基準についても5年、10年、15年以上のいずれとするか意見が分かれており、方針決定に至っていない。
ラワロン次官は「スキームが不透明なままでは消費者が購入を見合わせ、市場が停滞しかねない」と早期の結論を求めるが、年央までに具体的な進展は見込みにくく、制度の形自体を変更する可能性もあるという。バンコクモーターショー2026での受注台数13万台超のうち70〜80%がEVとされており、同スキームは日系メーカーを含む各社の在庫・販売計画にも影響が及ぶことは必至だ。
