【製造】タイ政府と日本製鉄がグリーン鉄鋼で連携 電気炉の普及加速で合意
広告
タイのアヌティン首相は5月19日、日本製鉄の森高弘代表取締役副社長と官邸で会談。タイの鉄鋼産業を「グリーン産業」に転換するための戦略的協力を発表した。スパジー副首相兼商務相やワラウット工業相も同席し、炭素排出削減と国内製造業の近代化を柱とする連携の枠組みで合意した。
協力の中核は、電気炉(EAF)の普及加速だ。政府は既存の高炉型設備から EAFへの転換を「今後数年以内」に積極的に推進する方針を示している。EAFはスクラップ鉄を原料とするため炭素排出量が大幅に少なく、タイが掲げる2050年カーボンニュートラル目標とも合致する。
また工業省は、建設現場や国家インフラ向けに使用できる鋼材の種類を規格化する新たな基準の策定に着手し、安全性と品質水準の引き上げを図る。
目次
ダンピング対策の強化も議題に
今回の会談では、国内鉄鋼メーカーを保護するためのアンチダンピング措置の強化も議題となった。廉価な輸入鋼材が国内市場を圧迫している現状に対し、政府は調査と規制強化で対応する姿勢を鮮明にした。日本製鉄はタイ向け高品質鋼材の供給や技術移転において重要な役割を担うことが期待されており、鉄鋼・素材分野の日系サプライヤーにとってはタイ市場における競争環境の変化として注視すべき動きともなっている。
