【経済】経常黒字の縮小でバーツが不安定化の恐れ KKPがタイ経済に警鐘
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タイのフィナンシャル・グループ、KKPリサーチのチーフエコノミスト、ピパット博士は、タイ経済が構造的な転換点を迎えていると警鐘を鳴らす。長年にわたりタイ経済の安定を支えてきた経常収支の黒字基調が崩れつつあり、バーツの不安定化や外国人投資家の信頼低下を招きかねないとの見方を示した。
タイは2014〜2018年にGDP比8〜10%の大幅な経常黒字を計上していた。中国人観光客の急増がバーツを押し上げ、中央銀行の外貨準備蓄積を後押しした時期だ。しかし新型コロナ禍以降、黒字は縮小が続き、エネルギー価格の高騰(中東情勢の影響でドバイ原油が1バレル100ドル超を記録)が輸入額を膨らませている。
関税局の統計によると、2026年4月のタイの貿易赤字は約100億ドルで、うち石油関連が約24億ドルを占めた。さらに問題なのは、非石油の貿易赤字拡大だ。タイ製品は競争力を失いつつあり、EVなど輸入品が国内生産を代替しつつある。データセンターなどの外資系投資も、機器の輸入比率が投資額の最大80%に達するケースがあり、外貨流出の一因となっている。観光収支も、コロナ前の約4分の3水準にとどまる。
KKPは2026年第2四半期の経常赤字がGDP比約2%に達すると予測。1997年のアジア通貨危機時の7〜8%には遠く及ばないものの、「双子の赤字(財政赤字と経常赤字の同時発生)」を警戒する状況だ。博士は、バーツの一方的な上昇局面は終わり、今後は弱含みで変動しやすい展開になるとみており、金融・財政政策の余地も狭まると分析。新たな成長エンジンの育成なくして、この構造的リスクは解消できないと訴えた。




