【食品】タイ政府、農地ごとに配合する「テーラーメイド肥料」事業始動 まず3県で
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タイの高等教育・科学研究イノベーション省(MHESI)と農業協同組合省は、農家向けに土地ごとの土壌に合わせた「テーラーメイド肥料」事業を共同で開始した。化学肥料の価格上昇と土壌の劣化に苦しむ農家を支援する狙いであり、このほご東北部ウドンタニ県の農業協同組合で発足式が行われた。
最大6割のコスト削減目指す
この事業は、地域や作物の種類を問わず一律に同じ肥料を使う従来のやり方から、土壌分析の結果にもとづき有機肥料と化学肥料を最適な比率で配合する方式へ転換するものだ。実証試験では、肥料コストを40~60%削減できるほか、土壌に有機物を戻すことで地力の回復にもつながることが確認されたという。
第1段階では、東北部ウドンタニ、中部チャイナート、北部チェンライの3県にある30の農業協同組合に肥料の混合設備とスマート管理プラットフォームを設置。タイ国立科学技術研究院(TISTR)が、土壌や作物ごとに必要な栄養素を計算する独自プログラムを用いて配合を管理し、品質基準を満たす有機肥料の製造技術を協同組合に移転する。その後、結果を検証した上で、全国展開を目指す方針だ。農地が県全体の70%を超えるウドンタニ県は、肥料価格危機への対応を急ぐ実証地として選ばれた。
タイは肥料の40%以上を輸入に依存しており、国際情勢の変化による価格変動への耐性を高めることも事業の目的の一つとされている。労働省も、農業従事者が配合肥料を自ら扱える技術を身につけることで、生産現場の人材の質を高める効果を期待しているという。
精密農業(データにもとづき肥料や農薬の量を細かく調整する農法)への移行は、農業資材や食品加工分野で事業を行う日系企業にとっても、技術提供や設備供給など新たな需要やパートナーシップの機会につながる可能性がある。
