【経済】タイの2026年上半期経済 外需堅調も内需低迷と物価上昇が二重苦に
広告

タイ経済は2026年上半期、輸出の堅調な伸びとは裏腹に、国内消費の低迷と中東紛争に伴うエネルギー価格の高騰という「二重苦」に直面している。各機関の最新予測では2026年の通年GDP成長率は1.5〜2.0%にとどまる見通しで、30年ぶりの低成長となる可能性が指摘されている。
カシコンリサーチは2026年通年の成長率を2.0%と予測。第1四半期は前年から2.8%成長と堅調だったが、第2四半期には前期比1.0%のマイナス成長に転落することが見込まれている。エネルギーコスト上昇により企業が価格転嫁を進めており、第2四半期のインフレ率は3.1%、第3・第4四半期には4.8%前後まで上昇する見込みだ。中央銀行(BOT)は成長率を2.0%と見るが、世界銀行はより厳しい1.3%成長を予測しており、構造的改革の遅れがタイを地域で最も脆弱な経済の一つとしていると指摘した。国際通貨基金(IMF)も1.6%成長と控えめな数字を示す。
輸出は2026年上半期に前年比14%増と堅調だったが、米国の関税引き上げを見越した「前倒し需要」に依存した面が大きく、下半期は一桁台の伸びへと急減速する公算が大きい。国内では家計債務のGDP比が86.7%に達し、銀行の住宅ローン審査の厳格化も重なって個人消費が伸び悩む。タイ・ビジネス・センチメント指数は42.5まで低下し、製造業・石油化学・繊維・建設資材などが打撃を受けている状況だ。
観光でも年間訪問者数の予測が3000万人に引き下げられ、中東・欧米からの旅客減少が響いている。政府は4000億バーツの経済刺激策で下支えを図るが、エネルギーコスト高が続く中では効果が限定的との見方が支配的だ。在タイ日系企業にとってはコスト管理と需要変動への柔軟な対応が下半期の急務となろう。
