【食品】タイ酪農危機が深刻化 生乳183トン供給過剰で50協同組合窮地に陥る
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タイの酪農業界が、深刻な生乳(しぼりたての牛の乳)の供給過剰に直面している。タイ酪農協同組合連盟によると、2025〜2026年度の政府との合意(MOU)では、全国158カ所の集乳センターで1日あたり3024.53トンの生乳を買い取る計画だった。しかし実際に業者が買い取っているのは1日2841.19トンにとどまり、買い手のつかない生乳が1日あたり183トン以上も余っている状態だという。
背景にあるのは、タイとニュージーランド、タイとオーストラリアの自由貿易協定(FTA)である。この協定により、2026年1月から輸入の脱脂粉乳にかかる関税がゼロになった。海外産の粉ミルクが安く手に入るようになり、乳業メーカーが国産の生乳から輸入粉乳へ切り替える動きが広がったことで、行き場を失った生乳が積み上がっている。
タイ酪農協同組合連盟のスビン会長は、7月7日にナコンパトム県のカムペーンセーン酪農協同組合で全国の協同組合幹部を集め、緊急会合を開くと発表。生乳の買い取り不足が続けば飼料代や職員給与の財源が不足し、金融機関への返済が滞り、全国で50を超える協同組合が経営破綻の危機に陥りかねないと警鐘を鳴らす。連盟は商務省などに対し、輸入の一時延期や、余った生乳を加工品に回す買い上げ拡充を求めている。
このほか、学校給食用牛乳(スクールミルク)の在庫調整も課題だ。2025年9月9日の閣議決定で、学校給食用の紙パック牛乳(UHT牛乳)約1億パック分の品質検査が指示されたが、下院解散の影響で手続きが止まったままとなっている。
