【不動産】タイの住宅市場が停滞 投資家は「バーゲンハンティング」に商機

タイの住宅市場の低迷が長引くなか、業界内で明暗が分かれている。資金繰りに苦しむ住宅デベロッパーが在庫の処分を急ぐ一方、仲介業者やプライベートエクイティ(PE)投資家にとっては、近年で最も有望な買い場が到来しているという。バンコクポストが伝えたところによると、この数年で最も強気な買収機会が生まれているとの見方が、業界内で広がりつつある。
象徴的な事例が、複合開発プロジェクト「Origin Thonglor World」だ。中国系のヤージ・グループは、同プロジェクトのメディプレックス区画にある大型の区画を取得するため、6億5000万バーツ超を投じたという。デベロッパー各社が資金繰りを優先し、完成在庫の処分や新規プロジェクトの延期に動くなか、投資家側は割安な資産を選別的に取得する好機とみている。同じ経済環境に置かれながら、立場によって優先事項が大きく異なる状況が生まれている。
セントラル・グループ傘下のPE会社、CGキャピタルのヌッタワット社長は、投資資金の配分先について地域ごとの選別が一段と進んでいると説明した。「タイの高級住宅市場への信頼は変わらない。問題は、今後どこで最も力強い成長が見込めるかだ」と述べ、バンコクの高級住宅市場は安定している一方、プーケットは海外からの買い手や移住需要に支えられ、より魅力的な投資機会になっているとの見方を示した。CGキャピタルは今後もバンコクとプーケットの両方でブランド付き高級住宅への投資を続ける方針だが、当面はプーケットをより有望視しているという。
一般の実需層向け住宅市場とは異なり、富裕層向けの高級住宅は、住宅ローン審査の厳格化といった逆風の影響を比較的受けにくいとされる。
タイで不動産投資や事業所開設を検討する日系企業にとっても、市場の二極化が進む今の局面は、立地選定を慎重に見極めるべき時期だといえるだろう。
