【経済】タイバーツ安、年初来5%下落でアジア3位に 実質実効レートが輸出下支え
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タイバーツが年初来で約5%下落し、アジア通貨の中で3番目に大きい下落率となっている。実質実効為替レート(REER)でみても6.6%低下。タイ製品の価格競争力を下支えしている。REERは物価変動や貿易相手国の通貨動向を加味した指標で、名目レートだけでは見えない実質的な輸出競争力を映す。
タイ中央銀行(BOT)のウィタイ総裁はこれまで、バーツ安は経済不振の兆候というより輸出と観光を支える安定装置との見方を繰り返し示してきた。地域通貨全体が同様の傾向を示すなかで、タイは相対的に中位から下位の下落率に位置しているという。
輸出面では、通貨安が価格競争力を押し上げる一方、電子部品など輸入原材料への依存度が高い産業ではコスト増要因にもなる。農産品や食品加工など国内調達比率の高い分野では恩恵が大きいとされる。
市場関係者の間では、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ動向や中東情勢の展開次第で、バーツが再び振れやすい局面に入るとの見方も出ている。タイ経済は今年、原油高や貿易収支の変動リスクにも直面しており、通貨動向はこうした外部環境と密接に連動している状況だ。
一方で通貨安が進み過ぎれば、輸入インフレや対外債務の負担増につながる恐れもあり、BOTはバーツの過度な変動を抑える姿勢も崩していない。今後は米国の金融政策や中東情勢の落ち着き具合によって、方向感が左右されやすい展開が続きそうだ。 日系企業にとっては、バーツ建て輸出採算や部材調達コストを左右する要因として、当面のレート動向を注視する必要があり、対日輸出や本社向け送金を行う企業は、為替ヘッジの活用も含めた対応の検討が求められそうだ。
