【環境】タイ建材大手が低炭素セメント普及を加速 EUの国境炭素規制に対応
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タイセメント協会が、2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ目標に向けた産業変革ロードマップを策定。脱炭素化の取り組みを加速させている。
クリンカー(セメントの主原料となる中間製品)の代替となる水硬性セメントの普及で、累計380万トンを超える排出削減をすでに達成。次世代技術として、焼成粘土セメントの本格実装や、炭素回収・利用・貯留技術(CCUS、排出したCO2を回収し再利用や地中貯留につなげる技術)の実用化も進めている。実証地域に指定されたサラブリ県では、官民連携による低炭素インフラの構築が急ピッチで進む。
この取り組みは、EU(欧州連合)の国境炭素調整措置(CBAM、輸入品に炭素コストを課す制度)への適合や、2030年の国家温室効果ガス削減目標達成を見据えたサプライチェーン防衛策と位置づけられる。タイ政府や中小企業振興庁も、関連する中小サプライヤー向けに低炭素物流やグリーンファイナンスの導入支援を強化している。
建設資材の脱炭素化は、タイ国内で工場新設や拠点拡張を進める日系企業にとっても無関係ではない。自社のサプライチェーン全体で排出量管理が国際基準で求められる中、低炭素建材の選定やグリーン電力の調達は企業の社会的評価に直結する。現地サプライヤーの低炭素化の進捗を把握し、環境適合型の調達基準を早期に整えることが、持続可能な事業運営には欠かせない。先行投資の有無が、長期的なブランド価値と市場競争力を左右する。
