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【IT】タイのデータセンター投資が急拡大、恩恵とリスクを地銀系シンクタンク指摘

タイでデータセンター関連の投資申請が急増している。サイアム商業銀行系シンクタンク「SCB EIC」のキラティヤ氏によると、2026年1〜3月期だけでデータセンター向けの投資奨励申請額は1兆170億バーツに達したという。背景には、AIやクラウドサービスの利用拡大によるデータ保管・処理需要の高まりと、タイ投資委員会(BOI)による税制優遇など投資環境の整備がある。

その一方で同氏は、恩恵ばかりでなくリスクにも目を向ける必要があると指摘。投資額の4〜5割はサーバー等の輸入依存度が高いIT機器に充てられるとみられ、国内の直接雇用は限定的で、運用ソフトも海外依存が続くとされる。つまり投資額の規模ほどには、国内経済への波及効果が大きくないとの見立てだ。

電力需要の急増に伴う電気料金や送電網の負荷も懸念材料に挙がっている。日系企業にとっては、データセンター向けの建設需要や空調・電源設備提供の商機となる一方、電力コストの上昇が製造業のコストを押し上げる可能性もあり、両面から動向を注視する必要がありそうだ。

タイ政府が進める電力開発計画の見直しとも深く関わるテーマであり、今後の政策論議からも目が離せない。タイ政府はデータセンターや半導体など高付加価値産業をBOIの重点誘致分野に位置づけ、法人税の減免や輸入機械の関税免除といった優遇策を打ち出してきた。この結果タイは、東南アジアの有力な拠点候補として存在感を高めつつあるが、それでも、電力の安定供給や人材育成の課題対応が追いついていないとの指摘は根強い。

SCB EICは、量的拡大だけでなく、地元企業への技術移転につながる質の高い投資を呼び込む工夫が課題と分析する。日系のゼネコンや設備メーカーには受注機会が見込める一方、電力料金上昇が製造拠点のコストにも影響しかねない。

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