【労働】タイ社会保障法改正案を閣議承認 被保険者の上限年齢を65歳に引き上げ

タイ政府は11月3日の閣議で、労働省が提出した社会保障法の改正案を承認した。社会保障制度は、会社員などが毎月保険料を払い、病気やけが、出産、老後などに給付を受ける公的な仕組み。1990年に制定された現行法には今の実情に合わない部分があり、高齢化に備えて保障を広げる。

最大の変更点は年齢の上限だ。会社に雇われて働く人が入る「33条被保険者」の上限年齢を、現在の60歳から65歳まで引き上げる。高齢になっても働き続ける人を制度で支えるのが狙いだ。
給付も手厚くする。仕事以外が原因で障害を負った場合の所得補償を、賃金の50%から最大70%に上げる。子どもの養育手当は、退職後も6カ月間受け取れるようにする。出産休業中の手当も、労働者保護法に合わせて増やす。

このほかにも、保険料を180カ月以上納めた人は、55歳になった時点などで、年金か一時金かを選べる。60カ月以上納めた人は、深刻な災害に遭った場合、老齢給付の一部を55歳前に受け取れる。また、協定を結んだ金融機関から融資を受ける際、老齢給付の一部を担保に使う道も開く。上限は老齢給付の30%で、賃金上限の2倍までとなる。

年金を受け取る退職者が、再び被保険者になる仕組みも新設する。医療などの保障を続けたい人が対象で、保険料は国が1、本人が2の割合で負担する。

一方、雇用主にも関わる改正がある。届け出の遅れなど法律違反への罰則を、刑事罰から行政上の過料に切り替える。関連する下位法令は18本に上り、施行後60日以内に整える計画だ。改正案は今後、国会に提出される。

在タイ日系企業にとっては、60歳を超えた従業員の雇用や保険料の負担、退職制度の見直しにつながる改正となる。国会での審議の行方と施行時期を見極めつつ、早めに人事制度を点検しておきたい。

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