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【政治】タイ政府がカンボジア国境に壁建設承認 不法越境や密輸の抑止など目的

アヌティン首相は10月2日、国家安全保障会議(NSC)がタイ・カンボジア国境に壁を建設する計画を承認したと発表した。建設場所や仕様については地元住民の要望や軍事的必要性を踏まえて決定される予定だ。

タイとカンボジアは国境線をめぐる緊張が長年続いており、とりわけプレアビヒア寺院周辺ではこれまでにも複数回、軍事衝突が起きている。今回の壁建設は不法越境や密輸の抑止に加え、安全保障上の抑止策とも位置付けられている。

国家安全保障会議は近年、ASEAN域内の国境管理強化を議題としてきた。タイ国家統計局によれば、2023年の国境を経由した違法取引件数は前年比15%増加しており、政府は物理的障壁を含む多面的対策を急ぐ方針。

タイ・カンボジア国境に壁を建設する案は以前から出ていたが、タクシン元首相の妹であるインラック氏が首相時代に中止を決定した経緯がある。なお、インラック氏が有罪判決を逃れるため国外逃亡した際、手を貸したのがカンボジアのフン・セン前首相だったとされている。

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