【政治】タイ・カンボジア 国境和平協定に署名 トランプ米大統領が立ち合い
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マレーシア・クアラルンプールで10月26日、ASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議において、タイとカンボジアが和平協定に署名した。米国のドナルド・トランプ大統領の立ち会いのもと、両国の紛争は一区切りつくことになった。
両国の国境紛争は数カ月前から激化しており、停戦合意は得られていたがカンボジア側が遵守せず全面的な解決には至っていなかった。今回の協定には、重火器撤去、地雷除去、人道支援を含む監視体制構築のほか、カンボジアの捕虜開放も盛り込まれた。
停戦協定により、観光・物流・投資など国境地帯の経済活動再開が加速する可能性が指摘。例えば、長年停滞していた国境地帯の物流経路が正常化すれば、東北部からカンボジアへの農産物輸出や観光ルート回復が期待できる。これはタイからの輸出にもプラスとなる見通しだ。
ただし、歴史的背景として、両国にはフランス統治時代の曖昧な国境線を巡る争いがあり、僧院・神殿の帰属問題は根深い。このため、有識者は「今回の協定は評価できるが、履行監視の実効性が鍵」と指摘する。
