【経済】輸出回復に追い風 タイ商務省が年10%超増加の見通し示す
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タイ商務省はこのほど、2024年の輸出額が前年を9.4〜10.4%上回るとの見通しを示した。米国による関税政策の明確化や世界経済の回復傾向が追い風となっており、電機・電子を中心とするデジタル関連製品、農産物、食品などが需要を押し上げているという。
輸出はタイ経済の柱であり、国内総生産(GDP)の6割以上を占める。タイ中央銀行(BOT)は、世界的な在庫調整の進展やアジア地域における生産回帰の動きが、今後さらに輸出回復を支えるとの見方を示す。また、農産物ではドリアンや米が主要輸出品として伸びており、観光業との相乗効果も期待されている。
その一方でリスクも残る。中東情勢の不透明感や物流コストの上昇、主要市場の金利高止まりは輸出回復を抑制する要因となりうる。国家経済社会開発評議会(NESDC)は、為替変動やエネルギー価格の動向を注視する必要があると指摘している。 商務省は通商交渉の拡大を推進しており、新たな自由貿易協定(FTA)締結に向けた協議を加速する構え。輸出回復が持続すれば、景気全体の改善にも寄与する見通しだ。
