【車両】マツダがタイでMHEV年産10万台 50億バーツ投資で2027年稼働開始へ
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タイ投資委員会(BOI)は、マツダがタイでマイルドハイブリッド車(MHEV)の生産拠点を整備するため、2026年初めに50億バーツを投じる計画だと報告した。年産能力は10万台で、稼働開始は2027年を予定する。生産車は日本、豪州、ニュージーランド、東南アジア向けに輸出し、輸出比率は6割超を見込む。BOIによると新投資は小型SUV(B-SUV)を中心に、現地調達比率7割超を目標とする。既存のラヨーン工場の増強か新設かは明らかにしていない。
BOIのナリット事務局長は、タイ工場で生産する車の品質にマツダと顧客が自信を持っていると述べ、投資判断はタイのサプライチェーンの競争力を示すものだと強調した。今回の投資の背景には、国家EV政策委員会がMHEVの支援策を承認し、2026〜2032年の7年間、物品税を一定率にする優遇措置を設けたことがある。外部充電を不要とし燃費と排出を改善するMHEVは、内燃車とBEVの橋渡し技術として普及余地が大きい。タイ政府は電動化の裾野を広げることで、輸出産業としての自動車を次世代化を狙う。
マツダとフォードとの合弁AutoAlliance(Thailand)がピックアップや乗用車の生産基地化をタイで進めてきた。パワートレイン部門もSKYACTIV技術の拠点として120億バーツ超を投資済みである。今回のMHEV投資は電動化の第一歩で、将来的にフルハイブリッドへ拡大する考えも示す。BOIは同案件をタイの自動車拠点性を再確認する材料になるとした。今後は現地の人材育成や電動部品の供給体制が焦点となる。
