【商業】世界小売市場の牽引狙うサイアム・ピワット 「アイコンサイアム」が世界的評価受ける
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タイの小売大手サイアム・ピワットは、2025年の事業展望を公表し、世界市場でのリテール業界での地位をさらに強固にする姿勢を示した。同社が運営するアイコンサイアムは、世界最大級の不動産見本市MAPICが選出する「過去30年で最も影響力のある小売プロジェクト」の世界トップ3にランクインした。これはアジアから唯一の選出であり、同施設がバンコクのチャオプラヤ川沿いの経済と文化を活性化した功績が高く評価された結果だ。また、チャダティップ・チュトラクン最高経営責任者は、アジア人で初となる「Pioneers of Places Awards」を受賞した。
一方、開業20周年を迎えるサイアム・パラゴンは、次世代の小売体験を創出する「ネクストピア」構想を始動させた。これは1万5000平方メートルの敷地に最新技術と持続可能性を融合させた未来型都市を構築する計画だ。
2025年末には、世界的な大晦日カウントダウンイベントがアイコンサイアムで開催され、CNNのアジア太平洋ライブスタジオを通じて世界中にその様子が配信される。タイ政府が推進するソフトパワー戦略の一環としても、これらの大規模イベントは観光客誘致に大きく寄与することになりそうだ。
同社は、単なるショッピングセンターの枠を超え、コミュニティと都市経済を牽引するプラットフォームへと進化しようとしている。2026年に向けては、民間企業や政府機関と連携した「アメージング・タイランド・カウントダウン」をさらに拡大し、タイを世界一の観光デスティネーションに押し上げることを目指す。ラグジュアリー分野での競争力が激化する中、同社独自の顧客体験と革新的な空間づくりが今後の成長の鍵を握ることになるだろう。
