【車両】タイ政府がEV充電料金引き上げ案を検討 普及失速と投資減速が懸念
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- タイ政府がEV公共充電料金の大幅引き上げを検討
- 実勢価格は1kWh当たり最大11バーツの可能性
- EVの走行コスト優位が低下し普及減速懸念も
- EV投資やネットゼロ政策への影響が焦点
- 税制優遇や補助策など緩和措置を民間が要請
タイ政府は公共EV充電料金の算定方式を見直し、現行より大幅に引き上げる案を検討している。エネルギー省は規制当局に対し、現行の1kWh当たり2.91バーツという低水準の卸電力価格が実際の調達費や送配電網の維持費を反映していないとして、制度全体の再設計を指示した。これまで不足分は燃料調整費に組み込まれ、事実上、一般消費者がEV充電を間接的に補助する構造となっていた。
電気自動車(EV)登録台数が数十万台規模に拡大する中、国営電力3社の財政負担が増大。民間事業者の試算では、土地賃料や設備減価償却、保守費用を含めると、充電スタンドでの実勢価格は現在の7.5〜8.5バーツから9.5〜11バーツ程度まで上昇する可能性があるという。
走行距離当たりのコストがガソリン車と同水準になれば、EVの経済的利点が薄れる。過去2年間で急速に進んだ普及の勢いが鈍化すれば、国内需要を前提に進められてきたEV組立や部品投資にも影響が及ぶ。政府が掲げる温室効果ガス排出削減やネットゼロ目標にも逆風となる。
民間側は影響緩和策として、充電事業者向けの土地建物税減免や再生可能エネルギー利用促進、移行期の限定補助などを提案している。国家エネルギー政策委員会が近く検討結果を示し、原則承認後に意見公募を行う見通しで、制度設計次第で市場環境は大きく左右される。
