【投資】タイへのPCB投資が2000億バーツ超に BOIはASEAN最大拠点化目指す

AIやデータセンター、先端電子技術の発展・拡大を背景に、タイはプリント基板(PCB)産業の大型投資を呼び込んでいる。タイ投資委員会(BOI)によると、2022年から2025年6月までにPCB関連で180件超の投資案件が投資奨励を申請。合計投資額は2000億バーツ超に達した。2025年1〜9月の電気機器・電子分野(PCB、HDD、電子部品、電池セル、スマート家電など)でも、投資奨励申請は382件で、金額は1800億バーツを超えている。
BOIは、電力の安定供給、港湾・空港と結ぶ物流網、技能人材、そしてEV、半導体、AIデータセンター、医療機器など下流産業と連動するサプライチェーンが強みと説明。投資支援策として法人税免除は最長13年とし、投資コスト削減策も組み合わせる。
立地面では、タイ東部にある304インダストリアルパークが集積地の1つとされ、敷地は3200ヘクタール超。パーク内には発電所が10カ所超あり、総設備容量は893MWで、電力需要の大きい工場の操業を支える。工業用水は1日34万4000立方メートル、貯水池は合計4000万立方メートル超を確保し、排水処理能力は1日17万5800立方メートルとなる。さらに太陽光・バイオマス由来の再エネは合計555MWで、ESG要請への対応材料となる。
同パークにはPCBメーカーなど14社超が投資済みで、BOIはタイがASEAN最大のPCB生産拠点に浮上したとして、世界上位5位圏入りを長期目標に掲げる。BOIは、欧州、中国、ASEANなど主要市場との自由貿易の枠組みや地理的優位も、供給先を柔軟に選べる要因だとする。2000億バーツ超の流入は単発の数字ではなく、先端製造の集積が進んでいることを示す構造的なシグナルだと位置づけた。304は高負荷工場向けに電力と工業用水を安定供給し、連続生産を支えるという。
