【商業】家計債務高と原油高でタイ小売が失速 消費者は「ブランド」より「値ごろ」重視 26年成長は2%止まり
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タイ小売業界で消費の腰折れ感が強まっている。家計債務が高止まりし、原油高と地政学リスクが物流費や光熱費を押し上げ、消費者の選択基準が「ブランド」から「値ごろ」へと移ったためだ。小売業者団体トップのナット氏は、今後1年は購買力が弱く、販促や景気対策があっても回復は緩慢とみる。
タイ中銀によれば家計債務の対GDP比は低下傾向にあるものの、依然として約87%と高水準。消費者の間にはまとめ買いを控え、値引き時だけ買う傾向が広がる。プライベートブランドや中価格帯の需要が伸び、店頭とECを行き来して価格を比べる行動も一般化した。上位所得層でも支出には慎重になっている。
タイ小売業界は26年の小売成長率を約2%と見込み、GDP成長見通し(2%弱)をやや上回る程度にとどまるとみる。ただ、追い風となるのは観光業で、1〜3月の訪タイ客は約917万人に達しており、主要都市の売り上げを下支えする。
一方、約320万〜330万社とされる中小企業はコスト削減とデジタル投資で出遅れが目立つ。データ活用、在庫・物流の効率化、オムニチャネルの磨き込みが生き残りの条件となる。
