【製造】BOIが「ファストパス」を本格稼働 EV・半導体・データセンターの許認可を大幅短縮
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タイ投資委員会(BOI)は2026年に入り、大型投資案件の許認可を一括して加速させる「タイランド・ファストパス」制度の本格的な運用を開始した。これはデータセンター・電気自動車(EV)・半導体・クリーンエネルギーなど優先分野における承認・許可取得の所要時間を20〜50%短縮することを目標にしたもので、電力供給・工業用地・ビザ・労働許可証という3つの主要なボトルネック解消に特化している。
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投資促進申請が前年比で約70%増加
BOIのスタニ副事務局長は、タイ・日本持続可能ビジネスフォーラム2026において、投資促進申請が前年比で約70%増え、申請総額が1860億バーツを超えたと公表した。海外直接投資(FDI)に限れば約1兆3000億バーツに達し、シンガポールが最大の出資国となっている。上位産業はデジタル(データセンター)・電子電機(プリント基板・ハードディスクドライブ)・自動車部品の順で、日本・中国・欧米の主要メーカーが競うようにタイに生産拠点を移転している。
2025年4月施行の新規制で、工業用地の造成・埋め立てや環境影響評価に関する手続きが簡略化され、着工前の事前準備を環境影響評価(EIA)承認に先行して進めることが可能になった。
アナログ・デバイセズがタイ最大の設計センターを開設し、インフィニオン・テクノロジーズも2026年第3四半期に新工場の完成を予定している。製造業を中心とした日系企業にとっては、ファストパスを活用した投資拡大と高度人材の確保が競合他社との差別化につながる重要な局面となっている。
