【車両】タイ政府、旧車新車交換制度を試験導入へ、EV・ハイブリッドが対象

アヌティン政権が推進する「旧車を新車に換える」買い替え支援策が具体化しつつある。4月11日の閣議で方向性が確認され、財務省と国税局(物品税局)が詳細設計を急いでいる。
過去3政権にわたる政策の変遷
この構想のルーツは、2009年に米国のオバマ政権が導入した「Cash for Clunkers」にさかのぼる。同プログラムは古い車を新しい低燃費車に乗り換えた際に3500〜4500ドルのクレジットが付与されるというもの。約67万7000台が参加したが、予算枯渇により予定より早く終了した。
タイでは2020年、プラユット政権下でスリヤ工業相がEV普及を目的とする旧車買い替え制度を提唱。個人・法人所得税の10万バーツ控除を伴う案だったが実現には至らず、政府はその後EV普及策「EV3.0」で1台当たり最大15万バーツの補助金を車両メーカー経由で支給する方向に転換した。
そして、2025年にはペートンタン政権下で、使用年数20〜25年の旧型ピックアップトラックを対象とした買い替え案が浮上。中小企業信用保証公社(TCG)による融資保証を付ける構想だったが、政権交代により棚上げとなった。
先着順で最大2万台の試験導入
現在のアヌティン政権は、EV・プラグインハイブリッド・電動二輪車を対象に先着順での登録制を採る方針で、試験導入の枠は1万〜2万台に設定される見通しだ。補助金は政府から車両メーカーに支給され、購入者への値引きという形で還元される仕組みを検討している。対象車両はタイ国内で製造されたものに限定され、新規販売促進と国内製造業の振興を同時に図る計画だ。
物品税局はさらに、適格となる旧車の使用年数の基準、ピックアップトラックの対象化の可否、廃車管理の仕組み、そして予算規模の4つの論点を精査中だ。
EVの2025年新規登録台数は12万301台と前年比80%増。EVが新車販売に占めるシェアは19.4%まで高まっており、政策の後押しを必要とする市場基盤はすでに育ちつつある。
