【経済】PTT、天然ガス取引量を35年に1500万トンへ拡大 エネルギー安定供給加速へ
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タイ国営石油PTTは、2035年までに液化天然ガス(LNG)の取引量を現在の年200万トンから1500万トンへ大幅に拡大する長期戦略を打ち出した。コンクラパン最高経営責任者は、世界的な地政学的リスクが増す中で、国家のエネルギー安保の確立と低炭素社会への移行を同時に実現する意向を示す。具体的には、2030年に1000万トン、2035年に1500万トンという高い取引目標を掲げ、資産裏付け型のビジネスモデルを構築することで、供給の安定化と価格変動リスクの抑制を図る。
目次
世界的なLNG市場への本格参入
タイ国内では長年、タイ湾の国産ガスが電力を支えてきたが、近年は埋蔵量が減少。EPPOの統計によると、総供給量に占めるLNG輸入の割合は、2011年の2パーセントから2024年には29パーセントへ急増した。こうした輸入依存の高まりは電力コストの上昇を招き、日系製造業の競争力にも影響を及ぼす。PTTはこの課題に対し、トレーディング機能を強化し、グローバルな調達体制の確立を目指す。
脱炭素と安定供給の両立を目指す戦略
同戦略のもう一つの柱は、二酸化炭素の回収・貯留技術の推進だ。タイ湾のガス田を皮切りに、貯留能力を年間100万トンに引き上げる計画だ。さらに、天然ガスをCCS(二酸化炭素回収・貯留)と組み合わせることで、持続可能なエネルギーを再定義する。日系企業にとっては、電力料金の安定化が期待される一方、政府が掲げる脱炭素目標に向けた構成変化を注視する必要がある。今回の投資判断は、タイが東南アジアのLNGハブとしての地位を固めるための重要な布石といえそうだ。




