中国EVシャオペン、タイでの現地生産を本格検討 1〜2年内に最終決定へ

中国の電気自動車(EV)メーカー、小鵬汽車(Xpengシャオペン)がタイへの工場進出を視野に入れた実現可能性調査を本格化させている。同社タイ法人のアピワン最高経営責任者(CEO)は、タイ現地企業との協議を含む投資機会の検討を進めていることを明らかにするとともに、最終決定は1〜2年以内に下す見通しだと述べた。インドネシアではHandal Indonesia Motor社への生産委託という形で現地生産を実現しており、タイが東南アジアにおける第2の生産拠点となる可能性が出てきた。
急成長するBEV市場に照準
タイ国内のバッテリー式電気自動車(BEV)販売台数は2025年に約12万300台と前年比88%増を記録し、市場浸透率は約19.4%に達した。シャオペンは今年の国内BEV販売全体を25万台と予測しており、同社自身も販売目標を前年比倍増の6000台に設定している。現在はG6とX9の2モデルを展開し、バンコクをはじめ全国20カ所の販売網を持つ。今年中にさらに3カ所を追加する計画だ。
現在、その先行きが注目されているのは、原油高騰という逆風がEV普及を後押しする構図だ。米国・イスラエルとイランの武力衝突がホルムズ海峡を不安定化させた2026年2月末以降、タイ国内のガソリン・ディーゼル価格は記録的な水準まで上昇した。アピワンCEOは、この燃料費高騰がBEVへの需要を押し上げる好機だと強調する。
タイ政府はBEV普及を目指す「30@30政策」のもと、EV普及策(EV3・0およびEV3.5)を通じて補助金や税制優遇を提供しており、BYDやテスラなど海外メーカーの参入・増産を促してきた。この政策枠組みがシャオペンの現地生産検討を後押しすることになった。 一方で、日系自動車メーカーにとっては競合環境の激化を意味する。スズキやニッサンが工場縮小・閉鎖を迫られるなか、ホンダも生産能力を半減させた。中国系ブランドはタイのBEV市場で7割超のシェアを握っており、同分野での日系の存在感は低下の一途をたどっている。
