【不動産】中東情勢で建築資材が急騰 バンコクのコンドミニアム開発に遅延の懸念
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中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の上昇を受け、タイ国内の建築資材コストが急騰している。カシコン・リサーチセンターによれば、2026年3月の建築資材価格指数はパンデミック後の最高水準となる108.5を記録した。鉄鋼・セメント・コンクリート製品の値上がりが特に顕著で、前年同月比5〜8%の上昇幅となっている。資材費と輸送費は建設コストの50%以上を占めるため、業者の利益率を大きく圧迫しており、バンコク都心部で進む大規模コンドミニアム開発の進捗にも影を落とす。
目次
資材価格指数がパンデミック後の最高水準に
原材料を輸入に依存する鉄鋼やアルミ製品は大幅な値上がりを見せている。仕入れ価格の変動が激しいため、請負業者の間では固定価格での契約を敬遠する動きが広がっている。一部の現場では資材調達の遅れにより工期が数カ月単位で延期されており、分譲住宅の引き渡し時期への影響も出始めた。こうした供給側の制約は不動産価格の上昇を招き、すでに高止まりしているバンコクの住宅市場にさらなる価格転嫁の圧力を加えている。
エスカレーション条項の導入で消費者の購買意欲に影
これに対応するため、不動産開発会社はエスカレーション条項〔補足:資材価格の変動を契約価格に反映させる条項〕を盛り込み、コスト変動リスクを分散させている。しかし、最終的な購入価格の不透明感が増すことで消費者の購買意欲を削ぐ懸念もある。日系デベロッパーが参画する共同開発プロジェクトでも、投資回収計画の抜本的な見直しや設計変更によるコスト削減の検討を余儀なくされている。
タイ中央銀行による金利据え置き判断も重なり、不動産セクターは慎重な経営判断が求められている。地政学リスクが長期化すれば、建設投資全体が冷え込み、景気回復の足かせとなるリスクが拭えない。
