最低賃金のタイ全国一律400バーツへの引上げは今年10月1日か 委員会は慎重姿勢
タイ政府が予定している1日当たり法定最低賃金の全国一律400バーツへの引き上げについて、ピパット労働相は4月30日、「今年10月1日からになりそうだ」との見方を示した。
最低賃金については、政府が昨年5月の総選挙時の公約を実現するため大幅な引き上げに積極的姿勢を示すのに対し、政府、雇用者、被雇用者の代表で構成される最低賃金3者委員会は、引き上げに伴う経営側の負担増大と経済への影響を考慮し慎重姿勢を崩していない。
同委員会の長を務めるピパット労相によれば、タイ旧正月である4月13日に一部地域で最低賃金が400バーツに引き上げられたが、その後、17日の委員会の会合で年内に再び最低賃金を引き上げることが合意されたという。しかし、5月14日の次回会合で委員会が政府の意向通りに全国一律400バーツへの引き上げに同意するかどうかは不透明だ。
労相は「私には400バーツへの一律引き上げを委員会に呑ませる権限はない」と発言しており、現在の状況から判断するに、委員会の承認をもって最低賃金が400バーツに引き上げられるのは、2025年度がスタートする今年10月1日になる可能性が高いとのことだ。