タイとカンボジア軍 国境地帯で軍事衝突 1人死亡か 領有権問題でトラブル
タイ最東端に位置する東北部ウボンラチャタニ県の国境地帯で5月28日午前5時45分ごろ、タイ軍とカンボジア軍がしばし交戦状態となる出来事があった。交戦でカンボジア兵1人が死亡したと報じられている。
現場は同県ナムユン郡チョンボクに近い、両国が領有権を主張しているエリア。国境地帯では今年に入ってから何度かいざこざが報告されていた。2月13日にカンボジア軍の大将が兵士とその家族を率いてタイ東北部スリン県パノムドンラック郡近くの国境地帯に位置する古寺まで行き、そこでカンボジア領であることを誇示するかのようにカンボジアの国歌を斉唱したことが問題となった。その後、2国間協議のため5月1日に国境委員会が開かれている。
プームタム副首相兼国防相は28日、「問題のエリアで新たに塹壕を掘っていたカンボジア兵が先に発砲し、タイ側が応戦したと聞いている。タイ軍による反撃は、タイの主権を守るために必要だった。現在戦闘は停止している」と説明した。関係筋によれば、両軍が交戦状態となったことを受け、カンボジア軍の担当者がタイ軍の担当者に電話をかけ停戦を求めたという。
タイとカンボジアの間では、カンボジアがフランスの植民地だったことなどに関連して国境線画定において意見の相違が存在し、これが原因で過去にも何度か軍事衝突が起きている。