出稼ぎカンボジア人約40万人がここ数日でタイから帰国 タイ経済に大きな打撃
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タイとカンボジアの国境紛争が再燃・激化し軍事衝突に至ったことでタイに出稼ぎに来ていたカンボジア人のうち約40万人がここ数日間でカンボジアに帰国。これがタイの諸産業にとり大きな打撃となることは必至だ。
タイ商工会議所大学(UTCC)経済学部のアヌソン学部長によれば、正規の手続きを踏んでタイで就労しているカンボジア人は約50万人、さらに不法就労のカンボジア人は100万~120万人いるとされるが、タイとカンボジアがお互いに相手国を強く非難していることなどから過去5日ほどで40万人近いカンボジア人がカンボジアに帰国したとみられている。
カンボジアの権力者であるフン・セン前首相が、タイで働いているカンボジア人に対し、すぐに帰国しない場合は、国籍抹消のうえ、土地・家屋・財産を没収すると発言したとする情報もあり、これが出稼ぎ中のカンボジア人の不安を煽ることになった。ただ、多くのカンボジア人が「帰国しても職がない。このままタイで働きたい」と考えているようだ。
タイは以前より近隣国からの出稼ぎ労働者が様々な産業に就労しており、重要な労働力となっている。その大きな部分を占めるカンボジア人がごっそりいなくなったことで様々な産業に支障が出ているという。アヌソン学部長によれば、カンボジア人がタイに戻ってこない状態が長期に及んだ場合、ミャンマーからの労働者受け入れを拡大する必要が出てくるとのことだ。
